インターネット上での遊戯王戦術記事。(2)
2005年7月29日 遊戯王戦術某邸の仕掛人です。戦術記事の続きです。
初手に来て欲しい魔法・罠
ここからはハタさんの我流・デッキ構築の上での留意事項の魔法・罠編とかぶる箇所がたくさんあるので簡潔にいこうと思う。
一番初手に来て欲しい魔法・罠と言えば手札系カードだろう。
* 《強欲な壺/Pot of Greed》
* 《天使の施し/Graceful Charity》
* 《第六感》
* 《強引な番兵/The Forceful Sentry》
* 《押収/Confiscation》
カードの引き増しができたり手札の整理ができたりする魔法・罠は、手札事故を緩和する意味でも重要なカードである。また、相手の手札を閲覧できるカードは初手で使うとその効果を最大限に生かせる。特に番兵・押収は相手を意図的に手札事故に陥らせることもできるカードである。こちらの手札が多少悪くても、相手の手札がわかっていればしばらくはしのぐことが可能だろう。
次点がモンスターの代わりになるカードである。モンスターの代わりになるカードはいろいろあるが代表的なものとしては、
* 《スケープ・ゴート/Scapegoat》
* 《光の護封剣/Swords of Revealing Light》
* 《聖なるバリア−ミラーフォース−/Mirror Force》
* 《炸裂装甲/Sakuretsu Armor》
がある。羊は防御だけは本物のモンスターカード以上のものがあるし、護封剣は1枚で3ターンも身を守れる優れものだ。ミラフォと炸裂装甲はそれだけ伏せてターンエンドするとさすがに破壊される可能性が高くなるが、もし相手が破壊せずに攻撃してきてくれればモンスターを破壊しつつ防御もこなすカードになる。これらは間接的にモンスターの代わりとなるカードであり、《サイクロン/Mystical Space Typhoon》等で破壊されてしまうので、あまり信頼はできないが。
初手に来て欲しくない魔法・罠
初手に来て欲しくない魔法・罠の代表が蘇生系のカードである。
* 《死者蘇生/Monster Reborn》
* 《早すぎた埋葬/Premature Burial》
* 《リビングデッドの呼び声/Call of The Hunted》
これらのカードは基本的に初手から使えない。墓地にモンスターがたまり始める中盤以降でないと真価を発揮できない。これらのカードが3枚初手(ドロー分を含めて6枚)に来てしまう確率は0.20%と非常に低いが、どれか2枚が初手に来る確率は5.4%と無視するには少々厳しい。だからといって、こればかりはどうすることもできないが。
後攻の場合
後攻の場合、相手の初手番兵・押収を食らうことを考えなければならない。相手が初手6枚のうち番兵か押収のどちらか1枚以上引く確率は28%であり、3回に1回弱は手札を見られてしまうことになる。さらに、相手が初手で壺か施しを引く確率は15%。壺を使ってカードをドローした場合、番兵・押収が飛んでくる確率は36%に上昇し、施しの場合は番兵・押収を手札に残すと考えると40%となる。
このように考えていくと、3回に1回はこちらの初期手札を見られてしまうことを考えておかなければならないだろう。つまり、初手に来て欲しいカードが手札に1枚だけでは足りず、最低2枚以上は欲しいということになる。
後攻時に手札に来て欲しいカード
ミヤコさんがブログで書かれていたように、先攻がモンスターを伏せることが多いのであれば、後攻になったら《抹殺の使徒/Nobleman of Crossout》を2枚入れるのも戦略の一つだと思うようになった。抹殺が手札に来る確率は上の番兵・押収の場合と同じであるので、大体3回に1回は初手に来てくれる。
このように先攻と後攻で手札に来て欲しいカードが変わることがあるので注意していただきたい。先攻初手ではすさまじい強さを発揮する番兵・押収も、後攻では多少使いにくく感じることがあると思う。このように、カードの評価はいつも相対的なものである、という認識を持つことは大事なことだと考えている。
初手に来て欲しいカードはデッキに何枚入れればよいのか
ようやく本題である。上の「後攻の場合」で述べたとおり、相手の番兵・押収の無視できない強さを考えると、初手に来て欲しいカードは最低でも2枚以上といえるだろう。1枚だけでは番兵・押収の餌食になり、手札事故に陥らされて終わってしまうこともあるからだ。
(表略)
この表は初手に来て欲しいカードをデッキに何枚入れると、どのくらいの確率で初手(ドローを含めて6枚)に来るかを計算したものである。この表からわかることは、
* 初手に来て欲しいカードがデッキに14枚だと初手には大体2枚が期待できる。
* 16枚だと2枚以上来る確率は約8割である。
* 17枚だと3枚以上来る確率が5割を超える。
* 20枚なら2枚以上来る確率が9割を超え、ほとんど事故らないと言える。
などだろうか。13枚以下だと初手で使いにくいカードの方が多くなると予想できるので、最低ラインは14枚だろうか。個人的には2枚以上来る確率が8割を超える17枚以上でデッキを作ると思う。
この表はモンスター・魔法・罠の枚数にも応用できると思うので、うまく活用していただきたい。
おわりに
書いていくうちにどんどんハタさんの考察記事とそっくりとなってしまって、同じようなテーマで文章を書くというのが難しいということがよくわかった気がする。よって二番煎じという感は否めない。
初手に来て欲しいカードというものはどうしても主観が入る。《ブラック・ホール/Dark Hole》のようにいつでも使えるカードを初手に来て欲しいと思う人もいるだろうし、デュエル中に引きたいと思う人もいるだろう。そのため、このようなカードは考察の対象外とした。初手に来て欲しいカードの考察なのに、このような曖昧な基準では記事の信憑性に疑問符が付きそうだが、カードの分類は相対的であり難しいということで勘弁願いたい。
最後に、この記事があなたのデッキの安定性向上に少しでもつながれば、筆者としてはこれ以上の喜びはない。また、上記の表も活用してワンランク上のデッキ作りを目指して欲しいと思う。
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